全国163社の代理店をもつ無添加住宅(本部:兵庫県西宮市、難波宏之代表取締役社長)は、自然素材のみを使用した自社住宅商品の長所を理解してもらおうと、室内空気環境の安全性をデータで証明し、結果をまとめたカタログ「AIR BOOK(エアブック)」を一般生活者向けに作成した。6月から代理店を通じて配布し、自然素材にこだわる同社住宅の新たな付加価値の創出をめざす。
安全性の検証は、愛媛大学農学部・石坂閣啓助教授研究室と無添加住宅と共同で2018年4月~2019年3月まで1年間にわたり実施した。1)無添加住宅、2)他社の自然素材の家、3)新建材の家、の3タイプの建物の居室で、室内空気中で検出される、天然由来のものを含む化学物質成分と量をそれぞれ測定した。
空気測定の結果、検出された複数成分のうち主成分である上位5成分における「木材由来成分」と「溶剤成分または化学接着剤成分」の構成比を比較した。上位5成分のうち木材由来成分が占める割合は、1)無添加住宅は100%、2)他社の自然素材の家は92%、3)新建材の家は42%となった。
また健康への影響が危惧されるとして厚生労働省が指針値を示す13物質については、無添加住宅では上位5物質からの検出はなく、他の自然素材の家からはトルエン6%とスチレン2%が検出され、新建材の家からはスチレンが13%検出された。
同社では、健康志向、ナチュラル志向など生活に対する感度の高いユーザーに向けて商品訴求力を高めていく方針。広報担当の上西真弘氏は「(カタログを通じて)無添加にこだわる弊社の家がつくる空気の質を理解してもらい、近くの展示場で体感してもらうきっかけになれば」と話している。
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