帝国データバンク(東京都港区)は6月13日、「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2019年)」の結果を発表した。BCPを「策定している」と回答した企業は前年比0.3ポイント増の15.0%にとどまり、「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」を合わせた『策定意向あり』でも45.5%と半数に満たなかった。
「策定している」企業の割合を業界別でみると、『金融』が42.5%で最も高く、次いで『農・林・水産』(18.4%)、『サービス』(17.3%)、『製造』(17.0%)が続いた。『建設』は14.5%だった。
また、『策定意向あり』の企業の割合を都道府県別にみると、「高知」が72.5%で最も高かった。『策定意向あり』の企業が5割以上の都道府県は11県あり、今後大地震が想定される地域に所在する企業に高い意向がみられた。
『策定意向あり』の企業に対して、事業の継続が困難になると想定しているリスクを聞いたところ、地震、風水害、噴火などの「自然災害」が72.5%で最多、次いで「設備の故障」(40.9%)が続いた。事業中断リスクに備えて実施・検討していることは、「従業員の安否確認手段の整備」(72.2%)、「情報システムのバックアップ」(61.5%)、「緊急時の指揮・命令系統の構築」(47.2%)が多かった。
BCP策定済みの企業に対して策定の効果を尋ねたところ、「従業員のリスクに対する意識が向上した」が59.3%で最多。次いで、「業務の定型化・マニュアル化が進んだ」(35.4%)、「事業の優先順位が明確になった」(32.9%)が続いた。
一方、BCPを「策定していない」と答えた企業にその理由を聞いたところ、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」(43.9%)、「策定する人材を確保できない」(33.7%)、「書類作りでおわってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」(27.9%)といった回答が多かった。
同調査は、TDB景気動向調査2019年5月調査とともに行ったもの。調査期間は5月20日~31日。有効回答企業数は9555社だった。
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