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「京町家※」のリノベーションや売買を数多く手掛ける不動産業の八清(京都市)は、伝統構法を用いて同市上京区に新築した京町家を分譲している。京町家は近年、年平均800軒、1日に2軒を上回るペースで消失しているとされる。そんな京町家を保全・継承したいという強い思いを持ち、リノベ事業などを展開する同社社長の西村孝平さんは「このままでは京都の暮らしや建築の歴史・文化を伝える貴重な町家が、いつかなくなってしまう」と危機感を募らせる。
小さな一歩ではあるが、伝統に忠実な素材やつくり方によって新しい京町家を生み出していくことで、“京都らしい”風景や街並みを100年先まで残していきたい」と力を込める。
■古都の風景と街並み守り後世に
3月末に完成し、分譲中の新築京町家は、27.47~28.68坪の4区画の敷地に建つ、2階建て・3LDK(延べ床面積:約31坪)の4棟。瓦屋根に漆喰の壁、京町家特有の「厨子二 階(つしにかい)」によって高さが抑えられたプロポーションや縦格子の「虫籠窓(むしこまど)」を備える外観が、各棟をつなぐように前面に広がる石畳の共有スペースと相まって “京都らしい”風情を醸し出す。
同社が新築京町家に取り組む決め手になったのは、建設地が交通などの利便性が低い“袋地(旗竿地)” だったため、土地の取得費を抑えられたことだ。それにより、建築コストは「在来工法に比べ、ざっくりとした計算で1.5倍ほど」(西村さん)に膨らんだものの、分譲価格は「周辺相場よりも若干高い程度」の5280万~5380万円に抑えられた。
4棟のうち、すでに1棟は売却済み。西村さんは、これまで中古の京町家の再生・販売を数多く手がけてきた経験から、「京都の町家で暮らしたいと望む人は国内、海外問わずたくさんいて、最近は首都圏の富裕層がセカンドハウスにしたり、リタイア後のシニアの夫婦が移住の拠点にするケースなども目立つ」と多様なニーズを想定しながら、「(伝統構法による)京町家の新築は、チャンスがあればやってみたいとずっと思っていた。(市場から)どう評価されるか楽しみ」と話す。
八清(京都市)は、滋賀県内で伝統構法による住宅新築を手掛けていた工務店とタッグを組み・・・・
※京都市が「京町家条例」で、同市中心部にあり、建築基準法が施行された1950年以前に建築された伝統的な木造建築物で、伝統的な構造や都市生活の中から生み出された形態または意匠を有するものと定義
⇒ 続きは、最新号『新建ハウジング タブロイド版 5月30日号』に掲載しています。
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