独自ブランド「フルハイトドア」を展開するハイドア専門メーカーの神谷コーポレーション湘南(神奈川県伊勢原市)は、2つの新商品を発売する。
1つは、価格は据え置きのまま、すべての片開き戸・片引き戸の標準扉厚を40mmにするというもの。「ほとんどのドアが30~36mmと薄型化するなかで、他メーカーと逆行し、あえて厚みを上げる方向を選んだ。実際に比べてもらうと早いが、40mmあると重厚感・安心感がまるで違う」と神谷忠重社長。
扉厚で付加価値を上げながら、価格を上げない判断をしたのは「住まい手のため」。「ドアは通常"家に付いていて当たり前”の部材だが、これだけの厚みがあれば、工務店・設計事務所にとっても十分な差別化ツールになる」とする。
もう1つは、表面にミラーディスプレイを配置したIoTハイドア「フルハイトミラオス」で、8月の発売を予定している。住む人の動線上にあるドアの特性を活かして、ドアそのものを”情報端末”として活用しようという提案だ。
ミラーディスプレイにはアンドロイドを搭載し、Wi-Fi接続によりインターネットやアプリの使用が可能。カメラ、マイク、スピーカーも内蔵する。さらにその横には全身が映せる縦長の鏡を配置した。
使い方としては、0〜5秒前の映像を再生する「おくれ鏡」の機能を使って三面鏡でも見ることができない真後ろの髪型や着物の帯の確認、動画と自身の姿を見ながらのエクササイズ、スマホより大きな画面でのビデオ通話、照明のコントロールなど。
同社では、会員登録したオーナー(=プラチナメンバー)向けに、枠はそのままに、ドアだけを住まい手自身で新しく付け替える「ドアップ」というサービスを実施しているが、今回の「ミラオス」にも簡単に付け替えることができるという。
参考価格は25万円(ドアップの場合は12万円)を予定。
神谷社長はこう話す。
「当社は50数年間、OEMのドアメーカーとしてやってきたが、バブルが崩壊しモノの価値が下がり続けるなかで、14年前に会社のあり方を大転換した。もっとも重視したのは、住まい手に愛されるブランドになること。そして、空間のイメージを一変させるドアをつくること。そこで、下がり壁のないハイドアに特化し、枠を壁の中に隠すことで空間に開放感が生まれるようにした。2005年に販売を始めたフルハイトドアの利用者は10万世帯以上にのぼる。我々のミッションは、住まい手に『選んでよかった」と喜んでもらうこと。今回の新商品も、オーナーさんのために開発した」。
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