だれかがどこかで
伊礼 僕が知る限り、建築家と工務店が協働する家づくりを日本で最初に打ち出したのは新留社長なんです。シラス壁もそうですが、発想は軽やかなのに、そこには必ず信念が込もっていて実現するまで絶対にあきらめず、いくつになっても挑戦する姿は僕の憧れでもあります。
新留 ありがとうございます。私はね「だれかがどこかで」という言葉が大好きなんです。いいものはまわりが気付いて探し出してくれる。シラスも、これだけのポテンシャルをもった物質はどこにもないから、私たちが気づいて、引っ張り出してあげなきゃかわいそうだと思うんです。どこまでもパッシブで、受け身なのもシラスの良さだから、私たちが「どうか使って下さい」って大声をあげなくても、みんなが「シラス壁を生かしてみたい」と言ってくる瞬間が必ず来ると期待しています。それまでは、「知る人ぞ知る左官材」でいいと思っているし、このすれてない感じもシラス壁らしくていいでしょう?
伊礼 100%自然素材だから、それが似合いますね。おそらく僕はこの先もずっと、あたり前のようにシラス壁と付き合っていくと思います。
設計:奥村昭雄 竣工:2001年
シラス壁の機能性・質感を体感宿泊できるモデルハウスとして8年間使ったのち、新留社長の自邸に。これだけの大面積でも内外ともクラックが1つもない。外壁は18年間塗り替えをしておらず、雨染みや青藻、汚れがない。シラス壁のほか、OMソーラー、ビオトープなど、新留社長が考えるパッシブで心地いい住まいが完成されている。
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