国土交通省は5月13日、第6回「長期優良住宅制度のあり方に関する検討会」を開催し、長期優良住宅の更なる普及促進に向け、中小工務店の認定促進に向けた対応策の方向性を示した。認定長期優良住宅の書類申請に慣れていないために申請できない中小工務店に対し、代行事業者の利用を促進する。また、自社が長期経営できるか不安な中小工務店の代わりに長期優良住宅の維持管理をしてくれる事業者を利用できる環境の整備を進める。
2018年にJBNが行った住宅性能表示制度の利用状況に関するアンケートによると、7割の会員工務店が書類作成の一部を外注している。
JBN理事の池田浩和氏は検討会において「多くの会員が長期優良住宅の性能を持つ住宅を建てているが、申請手続きの煩雑さや申請期間が1カ月から1カ月半ほどかかる現状や、維持メンテナンスにおいて不安を抱えていることを理由に長期優良認定住宅の認定を躊躇する工務店が一部いる」と報告した。
国交省は、さらなる制度活用を促進するため、流通と絡めた仕組みも検討していく。長期優良住宅が流通時に評価される環境整備に向けては、簡略版などわかりやすさを考慮した価格査定マニュアルの策定を検討する。認知度向上に向けては、認定住宅の仲介を行う場合に、重要事項説明の中で維持保全計画に基づいて行われた点検などの状況を宅建業者に説明させることも検討する。
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