2020年1月7日、年間新設戸建て住宅棟数1万7000戸の巨大住宅会社「プライムライフテクノロジーズ」が誕生する。親会社はトヨタ自動車とパナソニックで、合弁会社に対する両社の出資比率は同一。街づくり事業に関連する覚書を締結した三井物産の出資も検討している。
トヨタ自動車は子会社のトヨタホームに加え、ミサワホームを株式交換で全額出資とした上で新会社に移管。ミサワホームは2019年12月末に上場廃止となる。パナソニックはパナソニックホームズなどを新会社に移管する。新会社「プライムライフテクノロジーズ」として、トヨタホームとミサワホーム、パナソニックホームズ、パナソニック建設エンジニアリング、松村組の5社を統合する。
今後、新設住宅着工戸数の減少に伴う競争激化が予想される住宅事業において、合併により事業基盤を固めつつ、今後成長が期待される街づくり事業の強化を図る。
新会社の主な事業内容は住宅、建設、街づくりの3分野。自動運転システムや住宅のIoT化等のテクノロジーの急速な高度化が、住宅・不動産業界に100年に一度の変化をもたらすととらえ、すでにIT事業者など異業種が住まいや街づくりに参入している現状、トヨタ自動車とパナソニックのテクノロジーを活用し、街全体で暮らしの新たな価値提供をめざすのが新会社設立の目的だ。本社は東京に置き、社長にはパナソニックの専務執行役員である北野亮氏が就任予定。
IT会社が、アプリやデータによる情報サービス提供をとっかかりに住宅や街づくり事業に参入しているのに対し、新会社は住宅・不動産事業者として街づくり・住宅による快適で便利な空間提供をしつつ、生活者にデータやアプリを活用した便利な生活情報提供する事業を拡大していく。「人々の暮らしを支える全てのモノ、サービスが情報でつながるコネクティッド・シティからみた街づくり・住宅づくり事業こそが、新築住宅市場の縮小に危機感を感じる住宅・不動産事業者の新た価値提供の場」としてとらえる。
住宅事業では、トヨタホームやミサワホーム、パナソニックホームズのブランドは変えずに事業を継続し、資材調達や物流などのバックヤードを共通化することで、コストダウンを図っていく。
株主会社であるトヨタ自動車とパナソニックにとって戦略上の重要な課題となる街づくり事業でも、トヨタホームやミサワホーム、パナソニックホームズが主体となり、新しい価値を提供していく。例えば、高速道路インターチェンジ近隣など住宅地に不向きな土地に対し、生活を支えるサービスインフラを充実させるなどの高付加価値化を進める宅地造成事業を行なっていく。
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