ガソリンなど化石燃料等への価格転嫁を想定した税制が注目を浴びている。低炭素社会に向けた国の次の政策の一つとして、導入に向けた検討が進んでいる。住宅・建築物の省CO2対策にも影響が出そうだ。
環境大臣の諮問機関である中央環境審議会は4月24日、第8回地球環境部会カーボンプライシングの活用に関する小委員会を開催し、CO2排出削減のために排出量取引と炭素税の導入ついて、多くの委員から導入に肯定的な意見が出た。
炭素税は、石油・石炭などの化石燃料の燃焼により排出されるCO2に課税し、排出量に応じた税金を支払う仕組みで、環境税の一つ。日本は2030年度における温室効果ガス排出量を2013年度比で26.0%削減、長期的目標として2050年までに80%削減をめざすことを閣議決定しているが、排出量取引と炭素税の導入を検討する背景には、既存制度では目標が達成できないという現状がある。
同委員会では、排出量取引と炭素税の導入に関して、組み合わせ方や対象範囲、時期について今後、検討を進めていく。日本企業の国際競争力が低下しないように配慮しながら、温室効果ガス排出量を計画的に削減するため、排出量取引と炭素税をどのように導入するかが論点になる。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。