国土交通省は4月23日、「第13回国土管理専門委員会」を開催し、なし崩し的な放置が予想される土地の管理について、地域の土地管理構想図を作成し、地域に悪影響が出ない継続的な土地管理対策の方向性を示した。
人口減少や都市部への人口集中が進み、土地利用の担い手の減少による利用ニーズが低下し、放置以外の選択肢をとれない土地が多くなり、なし崩し的な放置が予想される土地の増加が危惧されている。地域において農地の所有者・耕作者の年齢、後継者の有無や、宅地の居住者の有無等を踏まえると、将来的に管理を断念せざるを得ない土地が出てくると指摘。
なし崩し的な放置が予想される土地について、重要度に応じて3つのエリアに分類して地域の土地管理構想図を描き、負担の強弱をつけて管理していく考え。優先的に管理を持続していきたい土地は、従来どおりの方法で管理を行う。将来的には管理を断念せざるを得ない土地で放置されることによる地域への悪影響が無視できないほど大きい場合は、土地を放置しない新たな方法で管理する。無視できるレベルに影響が小さい場合は、人手をかけない必要最小限の管理にとどめる。
具体的な土地管理方法も例示した。新たな方法での管理エリアのうち、稲作を行っている田んぼでは、比較的省力的に管理できる菜の花の栽培や草刈りのみを行い、空き家については居住可能な状況で維持する。必要最小限の管理エリアでは、手間をできるだけかけず、地域への悪影響を定期的に把握することなどを例示した。
今後、5月20日に開催される国土審議会計画推進部会でとりまとめ内容が了承される予定になる。
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