経済産業省は、中小企業が利用しやすいサイバーセキュリティ支援サービスの構築を目的に、全国8カ所で地域の損害保険会社やITセキュリティベンダーと連携した実証事業を行う。2018年度第2次補正予算の中小企業等強靭化対策事業の一環として4億円を計上している。
実証実験では、中小企業がサイバー攻撃等を受けた時に相談する窓口を損害保険会社等に設定し、損害保険会社がITセキュリティベンダーに対応を依頼することで、価格的に中小企業が利用しやすい支援サービスの構築をめざす。損害保険会社とITセキュリティベンダーの連携を「サイバーセキュリティお助け隊」とする。
1地域につき約100社の中小企業のセキュリティ支援を行う。8地域で約800社の中小企業を支援する。この実証実験により中小企業へのサイバー攻撃の実情も把握する。
情報処理推進機構(IPA)が事業主体となり、8地域の「サイバーセキュリティお助け隊」を5月中旬までに決定。5月中旬以降、採択された8地域で中小企業向けセキュリティ支援を2010年1月末まで行う予定。
現在、中小企業においても生産管理や顧客管理、販売管理等にIT設備が導入されているが、サイバー攻撃に関して個社でセキュリティ対策を依頼すると高額になることから、多くの企業が取り組んでいないのが実情。専任のセキュリティ責任者を設置している企業は、日本企業全体でも欧米に比較して50%以下。
中小企業においても、サイバー攻撃により個人情報や秘密情報が漏洩し深刻な状況を迎える可能性が高いが、多くの企業が自社のIT設備にサイバー攻撃がされていることさえ気づいていないのが実情だ。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。