国土交通省は3月27日、KYB(東京都港区)などによる免震材料・制振部材の不正事案の発覚を受けて設置した外部有識者委員会による提言を取りまとめて公表した。今後講ずべき再発防止策としては、免震材料の大臣認定制度の見直しと、制振部材の品質確保を行うことをあげた。
免震材料の大臣認定制度の見直しでは、検査時の入力値、設定値、最終結果を得るに至った過程を含む記録等、結果の信頼性・正確性を確認するために必要なものを「保存すべき検査データ」として明確化し、性能評価時に検査データの保存・改ざん防止措置を審査する。既認定事業者についても、検査データ保存・改ざん防止に取り組むように指導し、新基準を適用する。
また、発注者または発注者が指定する第三者による出荷検査への立会いや、検査データと検査成績書の突合によるチェックによって「性能確認」を受けることを原則化。発注者等によるチェックへの対応方針が社内規定等で定められていることも性能評価時に審査する。そのほか、国によるサンプル調査も年間の対象を増やし、内容の充実を図ることで、認定後の適切な品質管理を確保する。
認定する仕様の範囲については、性能や品質への影響が大きい項目に基本的に限定することとし、その他の項目については合理化する。今後、指定性能評価機関の協力を得て再整理を進める。
制振部材の品質確保については、組み立て時の性能ばらつきが想定されるオイルダンパー等について、データの保存・改ざん防止措置や発注者等によるチェックを、免震材料に準じて原則として行う。また、建築物の認定に係る性能評価時に、それらの実施方針を確認する。
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