国土交通省は3月28日、第39回「社会資本整備審議産業分科不動部会」を開催し、10年後を見越した不動産業の発展を目的とした「新・不動産業ビジョン2030」をとりまとめた。1986年と1992年に策定した不動産に関する中長期ビジョンは、人口増加局面を踏まえた不動産ビジネス拡大成長ビジョンであったが、今回は人口減少局面を踏まえた指針を示した。空き家等の遊休不動産の増加が見込まれる中、不動産を最適に活用することで需要の創出を目指す内容になっている。
不動産業を豊かな国民生活や経済成長を支える普遍的な基幹産業と捉え、(1)「ストック型社会」の実現、(2)安心・安全な不動産取引の実現、(3)多様なライフスタイル・地方創生の実現、(4)エリア価値の向上、(5)新たな需要の創造、(6)すべての人が安心してくらせるすまいの確保、(7)不動産教育・研究の充実――を目標に設定した。
特に高齢者が安心して暮らせる住宅やヘルスケア施設の供給、二地域居住や二地域就労に対応した環境整備等をあらたな需要分野として示している。
また、国内だけでなくインバウンド需要にも着目し、世界に選ばれるまちづくりサービスの展開が必要とし、地域の自然・景観資源を生かしたまちづくり、異文化に配慮した環境整備が、今後重要になってくるとした。公開は4月を予定している。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。