基礎・土木工事のエーアイ(兵庫県西脇市、松本孝博社長)はこのほど、倉庫に再現した実物大の住宅模型で間取りを確認できるサービス「リアリゼーション スペース」を開始した。設計図のデータをもとに、発泡スチロールを使ってリアルサイズで空間を再現するサービスだ。昨年10月にリリースしてからこれまでに6組の施主が利用。「実際の広さを確認して、間取りを変更したケースもあった」という。
同社が設計図を描き、それをリアルサイズで再現する。模型の制作期間は2日間。その後、施主は1日かけてじっくり室内を確認する。部屋の広さや家事動線はもちろん、コンセントの位置やカウンターの高さ、窓の大きさや高さ、テレビやインテリアの配置、配線やモジュールの位置などがすべて実物大で確認できる。
思い描いている住宅の間取りと設計図との違いを確認し、それをその場で一緒に修正しながら理想の住宅にしていく。完成した設計図に対しては、コンペ形式でハウスメーカーや工務店など複数社から見積もり・提案を求める。設計図の持ち込みも可能で、施工会社がすでに決まっている場合は、そのハウスメーカーや工務店が一緒に同席して模型を確認することもできる。
価格は、設計図および実物大模型の作成、丸一日かけての確認・変更作業まで含めてトータルで1m2あたり3000円(税抜)。土地探しや銀行審査も代行し、それらもすべてこの金額に含まれる。模型の保管は基本的に1日とし、2日以上の保管には1日につき8万円の保管料がかかる。
松本さんはこれまでに2度、住宅を建てた。しかし、いずれも「失敗だった」という。「1軒目は住む人の動線が考えられておらず非常に住みにくかった」。入居を心待ちにしていた2軒目は、「玄関に入ってみると思ったよりも小さく愕然とした」という。「自分で設計して建てたマイホームが満足して住める代物ではなかった」。
この経験から自分と同じ失敗をしてほしくないという思いが募り、後悔しない家づくりにはリアルサイズで間取りを確認することが必要との強い思いを抱き、今回のサービスを実現させた。
FCで全国展開も
松本さんはこのほど同サービスのFC展開もスタートし、現在、全国の工務店や建設会社からの申し込みを受け付けている。問い合わせがあった愛知県の建設会社は「自社にもこのサービスがあればクレームはなかったはず。クレームをなくすには実物大で確認することが一番」と本音を漏らしていたという。
サービスをさらに発展させ、今後は床材や壁紙もリアルサイズ模型に施工することも考えている。ショールームなどのサンプルでは全体感をつかめずに、入居してみて初めて、「思ったより色が濃かった」、「サンプルで見たよりも暗かった」などの声が聞かれることも多いという。松本さんは、建材メーカーからの資材提供も受け付けている。
問い合わせは、エーアイ(電話:0795-23-8119)。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。