独自の木造構法「SE構法」を全国の登録工務店を通じて供給するエヌ・シー・エヌ(東京都港区)は3月14日、東京証券取引所ジャスダックスタンダード市場に新規上場した。上場で調達した資金約7億5000万円は、同社が構造計算で蓄積した2万件以上の間取り図や、構造図などのデータベースを整理し、基盤システムの再構築や構造計算設計システムの開発に充てる。BIMを活用し、設計図からのデータ置換の効率化を図るシステム開発にも乗り出す。
同日、東京証券取引所で記者会見した同社の田鎖郁男社長は、「小規模木造住宅など、いわゆる『四号建築物』では建築確認の一部の審査が省略される『四号特例』により、構造計算が義務化されていない。当社が展開するSE構法を3000棟出荷するのが目標。国内により多く供給することで安心・安全な木構造を普及させることにつながる」とし、「現在のスピードだと年間棟数が約7%づつ伸びている」と述べ、新規上場によってさらに加速する見通しを示した。
同社は株式上場にあわせ、決算情報を公開。2019年3月期の業績予想として、売上高65憶1000万円(対前年比7.0%増)、経常利益2億5700万円(前期比12.4%増)になるとしている。
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