国土交通省は3月13日、第10回都市計画基本問題小委員会を開催し、創設から4年たった立地適正化計画を中心とした「コンパクトシティ政策」についてさらなる改善のための検証と課題について議論した。自治体の規模に寄って取り組み状況に差があることや、住宅に関する対策が遅れていることなど課題も見えており、国交省では推進策の検討を進めていく。
立地適正化計画は、現在、都市計画区域を持つ1374都市のうち、440都市が取り組んでいる。うち186都市が計画策定済み、254都市が作成中だ。20万~50万人規模の都市の3分の2が取り組んでいる一方、10万人未満規模の都市の計画が遅れているという現状がある。
取り組まれている分野にも偏りがみられる。地域公共交通や都市再生・中心市街地の活性化、医療・福祉は重視されているが、住宅政策等は比較的重く見られていない。人口密度や公共交通利用者数等は目標指標に設定されているが、空き家率や空き家数、住民の満足度が重視されていない傾向があるなど、「総合的にみて十分とは言えない」状況だ。
地域住民への立地適正化計画の浸透を図るための取り組みの不十分さも指摘されている。4年間の累計で、住民説明会開催は294都市、住民参加型のワークショップ開催は56都市、パネル展示や市民フォーラムの開催は39都市にとどまっている。効果的な働きかけが不足しているとし、充実化を促す方向だ。
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