富山の住宅建材販売会社ヤマイチ(富山市)は、手持ちしやすく操作が簡便な小型気密測定器「Dr Dlphin-2」の全国販売を6月から開始する。製造元のEOMと共同研究開発し、ヤマイチが全国販売権を持つ。初年度の販売目標は300機。
気密測定器とは、「C値」といわれる気密性能(=住宅のすき間の量)を測る機器のこと。気密性能が低いとすき間から空気が漏れて熱が移動し、高断熱化の効果が減じてしまう。気密性能は施工精度によって異なるため、実測でしか把握できないが、手間がかかるため、測定を行っている事業者は少ない。
新商品の小型気密測定器「Dr Dlphin-2」は、従来、全長1400mmあったものを800mmにコンパクト化。柔軟な専用ダクトを小さな開口部に取り付けることにより、本体を床においたまま測定できるなど作業性・安全性を高めた。
同社の廣瀬貴志社長は「従来の気密測定器は大きく操作しづらいこともあり、工務店が自社で気密測定を行うことは難しかった。小型にしたことで扱いやすくなり、全国で気密性能も考慮した高性能住宅が増えることを期待している」と語る。
製品ラインナップはC値の対応範囲で、小型小口径0.1~1.5cm2/m2、中型小口径0.1~2cm2/m2、中型大口径0.3~8cm2/m2の3タイプを用意する予定。
同社には取引先の工務店からZEH対応や全館空調の要望が増えており、気密性能の向上が課題となっているという。
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