国土交通省は3月19日、2019年1月1日時点の公示地価を公表した。全用途(住宅地・商業地・工業地)の全国平均は4年連続で上昇、上昇幅も3年連続で拡大した。三大都市圏では、全用途平均、住宅地、商業地のいずれも上昇が継続。地方圏でも全用途平均および住宅地が1992年以来27年ぶりに上昇に転じた。地価の回復傾向が地方にも波及し、全国的に広がっていることが鮮明になった。
住宅地では、低金利や住宅取得支援施策等による需要の下支え効果もあり、交通の利便性や住環境の優れた地域を中心に需要が堅調に推移。商業地では、オフィス空室率の低下やインバウンド需要で店舗・ホテルの進出意欲が旺盛なことなどを背景に需要が拡大した。
変動率が全国で最も大きかったのは、住宅地・商業地ともに北海道の倶知安(くっちゃん)で、住宅地は50.0%の上昇、商業地は58.8%の上昇となった。このほか、住宅地で高い上昇率をみせたのは、都市中心部へのアクセスに優れる東京都渋谷区(代官山、恵比寿地区)で上昇率が15.0%と、東京圏でもっとも高い上昇率となった。名古屋圏では愛知県一宮市で20.9%、地方圏では福岡県春日市で12.0%の上昇率となった。
商業地では、東京圏では特に台東区が外国人観光客の増加により浅草地区を中心に34.7%の上昇率を示した。大阪圏では、京都市東山地区で43.6%、大阪市中央区で44.4%の上昇とこちらも高い上昇率となった。
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