国土交通省は3月1日、「社会資本整備審議会産業分科会不動産部会」を開催し、10年先を見越した中長期ビジョン「新・不動産ビジョン2030(仮)」の骨子案を提示した。少子高齢化社会やAI、IoT等の技術の進展や社会ニーズをとらえた柔軟な不動産政策をめざす。国と地方公共団体が連携し、不動産業の監視活動を通じ、市場の信頼を確保していくことも盛り込む。
今後の不動産需要の喚起に向けた取り組みとして、高齢者が安心して暮らせる住まい、イノベーション創出型オフィス、物流標準化、外国人観光客・在留者に選ばれる街づくり、一人が複数の不動産を所有活用できる環境整備などを提示。
今後10年間の重点的な政策課題として、「ストック型社会の構築」「国際競争力の強化」「安全・安心な取引の実現」「地方創生・エリア価値向上」「少子・高齢社会」「不動産教育・担い手確保」「外国人・グローバル化」「投資環境の整備」「技術革新・業務効率化」「現行要件の妥当性検証」の10項目をあげた。
課題解決に向けた対策として、賃貸住宅管理業に係る登録制度の法制化、売買契約書・重要事項説明書の標準化、2地域居住など複数不動産の利用・購入需要を喚起させる対策、外出支援などの付加価値サービス提供によるエリア再生、などを示した。
3月28日に開催予定の次回会合で、「新・不動産ビジョン」のとりまとめを行う。
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