スリーエム ジャパン(東京都品川区)は、建築現場での転落防止のための安全帯にフルハーネス4種を新たに追加し、全8製品を「新規格適合品」として2月1日から発売する。
厚生労働省による政省令の改正に伴い、2月1日から6.75メートルを超える高所作業では原則、フルハーネスの使用が必要となる。その後、3年の経過措置期間を経て2022年1月2日以降は新規格に適合したフルハーネスの使用が義務化される。背景には、高所作業で相次ぐ墜落・転落事故があり、2018年には214人の高所作業者が亡くなっている。また、欧米では主流となっているフルハーネスだが、日本では胴ベルトが主流で9割がたを占めるという。しかし、胴ベルトは落下時に腹部の一点で衝撃を受け止めるため、墜落を回避できた場合でも、腹部や胸部を圧迫して安全帯をつけていながら死亡事故につながってしまう事例も相次いでいるという。
一方、フルハーネスは、肩や腿など複数箇所で体を支えるため落下時の衝撃を分散し、万が一の墜落時もブランコに乗っているような状態で救助を待つことができる(写真下)。
動きやすさを優先してフルハーネスを緩く装着してしまい十分に安全性能が発揮できないケースがあるというが、新製品は、安全性能と作業性の両方を実現。体にフィットさせて着用しても動きやすく動作を妨げることがない構造になっている。また装着も簡単にできる。価格は1万3800円~5万2500円で機能やはしご昇降用など特定用途により異なる。工具・建築材料商社やインターネット通販などを通じて販売する。
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