富士経済(東京都中央区)はこのほど、宅配ボックスの国内市場などについて調査を行い、その結果を「次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望 2018」にまとめた。それによると、2018年の宅配ボックス国内市場は132億円(戸建て住宅向け:49億円、集合住宅向け:83億円)となる見込み。2025年には、2017年比2.0倍の220億円(戸建て住宅向け:70億円、集合住宅向け:105億円)まで拡大すると予測する。
●宅配ボックスの国内市場の推移
戸建て住宅向けについては、現状、普及率は低いものの、再配達の一部廃止や有料化、配送業者が配送物を玄関先などに置く「置き配」などのサービス改定に伴い、今後市場が拡大すると予測。戸建て住宅向けは簡易な低価格帯製品が好まれるため、企業の参入障壁が比較的低い。そのため、生産数量の増加に伴って価格低下が進み、普及を後押しするとみられる。将来的には、IoTに対応する電子制御式製品も普及が期待されるとする。
集合住宅向けについては、分譲マンションや公共スペースでは電子制御式製品(タッチパネルなどで操作するタイプ)の設置が多く、賃貸アパートでは機械式製品(ダイヤルやテンキータイプ)が中心。分譲マンションでは、デベロッパーの主導により普及が進んでいる。また、水など重量物の宅配ニーズを受けて、各世帯専用宅配ボックスの設置が進んでいる。賃貸アパート向けは、分譲マンションと比べると普及の初期段階であるが、配送サービスの改定を背景に伸びている。公共スペース向け宅配ロッカーは、再配達問題を解決するシステムとして注目されているものの、日本国内では自宅で荷物を受け取る習慣が根強く、実際の設置はまだ少ない。
調査期間は、2018年9月~11月。
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