LIXIL鈴木シャッター(東京都豊島区)は1月11日、一般社団法人日本シヤッター・ドア協会(JSDA、東京都千代田区)が認定する「防火シャッター・ドア保守点検専門技術者資格」(JSDA資格)と、防火設備定期報告制度のもとで新設された国家資格「防火設備検査員資格」において、必要経験に満たない同社従業員と協力業者が受験し、資格を付与されていた事実が社内調査から判明したと発表した。
JSDA資格受講資格不足者は、同社従業員28名と協力業者1名。そのうち同社従業員13名がJSDA資格を利用して防火設備検査員資格者となっていた。これらの防火設備検査員資格者によって検査が行われた物件・棟数は21物件68棟としている。
防火設備検査員資格を取得する際には、受講資格として一定の関連経験が必要となるが、JSDA資格の資格者については一定の経歴を満たしたものとみなされ、受講資格が付与される。JSDA資格の取得には、高卒以上の学歴を保有する者でシャッター又はドアに関する3年以上の実務経験が必要となる。
同社の調査によると、同社従業員のJSDA資格者のうちの28名と協力業者1名が同資格の受験に必要となる経歴を満たしていなかった。また、防火設備検査員資格者である13名は、直属の上長の指示・確認の下で提出するJSDA資格受験の「受講申込書」において、「受講資格」に関連する「最終学歴等」「業務経歴」に実際とは異なる記述をして受講資格を得ていたという。
同社は今回判明した不適切な行為について関係各所に報告するとともに、対象物件の客に個別に報告し、相談の上で正規の資格者により速やかに再検査を実施する。また、外部弁護士による調査を実施し、今回の行為が行われた背景、原因を徹底的に究明する。受験資格の確認に関する社内プロセスの強化、従業員に対するコンプライアンス意識と体制の徹底、内部監査体制の強化等を図ることで再発防止に努めるとしている。
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