三井不動産(東京都中央区)と大林組(東京都港区)は共同で、建設現場の生産性の向上を図るため、資材などの自動搬送システムの開発に着手した。すでに試作機の製作および動作確認が完了しているといい、2019年から千葉県船橋市内の新築工事で実証実験を予定している。
この自動搬送システムは、大林組が開発した低床式AGV(無人搬送車)を基に、資材探索と自律制御機能を追加したもの。形状と色を統一した専用パレットに資材を積載することで、AGVがカメラを用いて目的の資材を識別し自動で積載した後、レーザーセンサーによって周囲環境と自己位置を認識し、目的地で荷下するという。従来の自動運転では必要だった誘導線や磁気テープによる軌道の設定は不要で、仮設エレベータへの自動乗降もできるという。
今後、三井不動産は、オフィスビルや物流倉庫などの新築案件での同システムの標準採用を目指すとともに、ゴミの自動搬送など竣工稼働後の建物での応用も検討していくとする。大林組は、同システムの開発を通じて得られたノウハウを生かし、大規模新築工事での夜間自動搬送を実現することで、さらなる省人化を目指すとする。
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