住友林業(東京都千代田区)は12月20日、筑波研究所の新研究棟の建方を同月4日に完了したと発表した。
新研究棟は、創業350周年を目標に高さ350mの木造超高層建築物の建築を目指す研究技術開発構想「W350計画」の研究拠点となるもので、「木を科学する」先進技術や木に関する幅広い知見を発信する拠点として位置づける。収容人数140名のオフィスと木に関する情報を提供するギャラリー等も備える予定。敷地内の整備も含めた総事業費は約25億円。来年5月の建物完成を目指す。
建物の構造は、木造3階建ての準耐火構造。壁柱は1200mm四方、厚さ300mmのLVL(単板積層材)を市松状に積み上げ、その中に鋼棒を貫き水平力に抵抗するポストテンション技術のオリジナル構造を採用する。梁、柱及び壁は、大臣認定またはもえしろ設計による木の現しとする。
環境・緑化の取り組みでは、屋上面にソーラーパネルを設置するほか、木質ペレット焚吸収冷温水機の導入でCO2排出量を大幅に削減する。非住宅木造建築物の緑化技術も研究開発するほか、オフィス空間で知的生産性を向上させる緑のレイアウトを検証する。ゼロエネルギービルディング(ZEB)の実現も視野に入れ、省エネや再生エネルギーを利用していく。
同施設は国土交通省の「2017年度サステナブル建築物等先導事業(木造型)」に採択されている。
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