野池政宏さん(住まいと環境社)が展開を始めた「Forward to 1985 energy life」について寄稿いただいた「新建ハウジングプラスワン」6月号の内容を紹介します。すでに多くのつくり手が賛同や実践を始めており、運動として盛り上がりを見せ始めています(編集部)。
景気を落とさずに、究極の省エネルギー社会を
つくる一歩を住まいから踏み出す。
選択肢は「1985」しかない
景気を落とさずに、究極の省エネルギー社会をつくる一歩を「家庭(住まい)」から踏み出す。
かいつまんで言うと、これがこの運動の主旨になる。省エネルギーや節電につながることにお金を使い、世の中にお金を回しながら、エネルギー消費量と電力消費量を減らしていく。
これからの日本が進むべき道を考えたとき、私にはこの選択肢以外に思いつかない。
この選択肢を取ることに何も問題は見当たらないし、誰も困らない(あえていえば、エネルギー供給に携わる企業が困るくらいだろう)。
みなさんのような住宅産業に関わる企業や人はどんどん省エネ型の商品を提供していけばよい。
残された問題はただひとつ。「省エネにお金を使うことが正解」というムードをいかにつくるかということだ。だから“運動”を起こさねばならない。
唯一怖いのは工務店の腰が引けること
この運動を盛り上げることに工務店はノーリスクだ。盛り上がれば「省エネの家を下さい。省エネリフォームをしてください」とお客さんはやってくる。
盛り上がらなくても現状に変化はない。いや、そもそも省エネは3・11以前から時代の要請になっているわけであり、それに取り組むことで「省エネに強くなる」というオマケがついてくる。つまり“得”しかない。
ただ怖いのは、現時点で「省エネは得意じゃないし…」と思っている工務店の腰が引けることだ。実際、省エネが得意な工務店は限られており、得意ではない工務店がいかにこの運動に乗ってくるかが勝負どころになる。
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