木造注文住宅やシェアハウスの施工などを手掛けるホーメスト(東京都中央区、八島睦社長)は11月27日付で、東京地裁に破産を申請した。
首都圏で女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営していた不動産会社スマートデイズ(東京都中央区)から新築工事を受注し事業拡大していたが、同社は不動産オーナーへの賃料不払いなど経営状況が急変、2018年5月に東京地裁から破産手続き開始決定を受けていた。
この間に一部工事が完工できなくなったほか、オーナーからの入金が停まる事態に発展したことから資金繰りが悪化。3月以降に下請け会社へ支払いに支障を及ぼす事態に陥った。
東京商工リサーチによると、今年4月、取引先を集めてスマートデイズ関連の対応について報告会を実施。建築代金の回収ができず資金不足が生じ、支払遅延が発生したためで、取引先に状況説明と返済猶予を求めていたという。その後、事業の見通しが立たず、事業継続を断念した。
負債は2018年3月期末時点で約9憶1100万円。
同社の母体は、1950年に設立し2003年に民事再生した住宅メーカー「殖産住宅」。木造注文住宅や相続対策、シェアハウス施工、コーポラティブ住宅の建築工事を行っていた。東京23区を主な営業エリアとして、横浜市や川崎市、千葉県や埼玉県に展開。支店のある札幌市周辺の不動産事業も手掛けていた。
ICT利活用をした働き方改革にも取り組み「無残業や週休3日制をつくりたい」(同、八島社長)とするなど、業界でも注目を集めていた同社。「未経験の新人でも年12棟を契約できる住宅営業提案システム」(新建ハウジング本紙2017年3月10日号、八島社長)をベースに、新築やリフォームのデザインと建材の提案、概算予算と商品のプレゼンなどを行う独自のICTシステムを構築していた。2016年3月期の年間売上高は約13憶8900万円だった。
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