日産自動車(横浜市)は11月28日、バッテリーの蓄電・放電機能を生かし、電気自動車(EV)の魅力をさらに向上させるソリューション「Nissan Energy(ニッサン エナジー)」を発表した。また、同ソリューションのコンセプトを実証する「Nissan Energy Home(ニッサン エナジー ホーム)」を日産グローバル本社ギャラリーで公開した。
「Nissan Energy」は、同社が「日産リーフ」などのEVを中心とした「エコシステム」の構築を目指し、日本・米国・欧州で取り組んでいるソリューションの総称。EVとエネルギー・システムをつなぐことで、車載バッテリーの充電(「Nissan Energy Supply」)だけでなく、そのバッテリーに貯めた電力を、家、ビル、電力網に供給すること(「Nissan Energy Share」)も可能にする。さらに、EVバッテリーの二次利用(「Nissan Energy Storage」)も提案する。
同ソリューションのコンセプト実証に位置づける「Nissan Energy Home」は、ソーラーパネルとEV、車載バッテリーに蓄電された電力を家庭での電力ニーズに合わせて供給する「Vehicle to Home(V2H)システム」を設置するもの。同日公開したデモンストレーション・ハウスは、木材と中の見える透明な壁に囲まれたモデルハウスとして、日本の伝統文化と近代性を表現。フローリングや壁に沿って点灯するブルーのイルミネーションが、ソーラーパネルや「日産リーフ」のバッテリーから供給される電気の流れを示すようになっている。
同社は「Nissan Energy」の一環として進めるEVバッテリーの二次利用において、電動フォークリフトの動力源や競技場への電力供給源など、様々な用途への再利用・再製品化を進める。欧州ではEVバッテリーを再利用し、家庭における定置型蓄電池に活用。英国では太陽光パネルと再利用した蓄電池を組み合わせて使用している。今年6月には、欧州で最大規模の蓄電システムが、オランダのヨハン・クライフ・アレナスタジアムで稼働。EVの買い替えが進むことで、二次利用可能なバッテリーの供給増加を見込む。
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