フォーセンス
全国300社以上の工務店が賛同し、信頼を寄せる住宅ネットワーク・フォーセンス(東京都千代田区)。工務店を経営する役員会社3社が実践・検証した「使えるノウハウ」を15年前の設立時から継続的に発信。奇をてらうことなく、「家づくりの基本」をシンプルに伝えることで、工務店のあるべき姿を提唱している。その「基本」とは何か?同社・飯嶌政治さんに聞く。
飯嶌 政治 氏
フォーセンス 代表取締役
「売れなくなる」危機感を前に
確実に新築需要が半減すると言われるいま、多くの工務店さんは未来が定まらないまま、漠然とした不安を抱えています。
「売れなくなる」ことへの危機感は切実で、「何かしなくちゃいけない」と日々悩み、そうした焦りのなかで経営者は、社内の活性化と集客・受注・利益増を同時に実現する手立てを必死に考えているはずです。そして、話題性のある営業ノウハウや他社と差別化できそうな企画住宅パッケージを採用し試行錯誤する。それは、どこかに自社の生き残り策があるかもしれない・・、と期待しながら。
「家づくりの基本」がある会社は強い
高性能住宅やデザイナーズ住宅、カフェや雑貨店などの異業種の融合…。新しい挑戦は楽しく、社員にやる気をもたらしてくれます。
チャレンジはいいこと。でも、それが思い描くような社内改革や受注増、利益増をもたらしてくれるかと言えば、そう簡単ではないと思います。
なぜなら、「家づくりの基本」がちゃんと備わった会社でなければ、話題性のあるノウハウを次から次に導入してもすぐに他社に追いつかれ、埋没し、かすんでしまうから。
ラーメンにたとえるなら、いくら目新しい味やトッピングを考え、おしゃれな器に盛り付けたとしても、基本の麺とスープが美味しくなければ、お客さんはあっという間に別の店に流れてしまいます。地域で一番長く愛されるお店は、基本がしっかりした美味しいラーメンを高コスパで提供する店。答えはシンプルで、新しい取り組みを、いい評判・売上・利益に繋げるには、自社の「基本」を忠実に落とし込む事が必要だと思うのです。
話を住宅に戻すと、フォーセンスは、この「家づくりの基本」の部分をブレることなく提供し続けてきたネットワーク。いつでも立ち返ることのできる「基本」がちゃんと軸にある工務店さんほど、安定的に成長し、長続きする—15年間の工務店支援を通じて、そんな実感をもっています。
基本性能×デザイン×コストを高いレベルで実現。[左]はシンプルでシャープな印象が際立つ外観の「ジュピターキューブ」。[右]は深い軒の出と屋根・雨樋が一体化したディテールで構成され重厚なイメージを醸し出す「シンフォニー」
家づくりのレシピがある。
ここで言う「基本」とは、設計・施工・コストダウンの基本、いわば家づくりに必要な“レシピ”。
家づくりもラーメンと同じで、こだわり出したらキリがありませんが、フォーセンスが突き詰めてきたのは、基本性能・デザイン・コストを高いレベルで実現した顧客満足の高い家です。そのノウハウを体系的にまとめてあるため、だれでも簡単に既製品の材料を使ってリーズナブルに、安定した品質のデザイン住宅を、きちんと利益を確保して建てることができます。
言葉にすると簡単なようですが、実現する難しさは、経営者ならわかっていただけるはず。また、フォーセンスが提供する「基本」は、“標準化と差別化”“デザインとコスト”など、普通は両立する事が難しい課題も可能にするレシピでもあります。
変化しないと進化しない
さらに、この「基本」は、フォーセンス役員会社が自社で実践し、検証を繰り返し、日々ブラッシュアップし続けてきた私たちの“進化の証”でもあります。
あの羊羹の虎屋だって、室町時代創業という誇れる歴史をもちながら、大胆に変化しながら勝ち残ってきた企業。虎屋にも必ずブレない「基本」があり、それをブラッシュアップしてきたからこそ“伝統と進化”を両立できているのではないでしょうか。
地域密着で展開する工務店は、虎屋のような展開が合っていると思うのです。
300社が賛同する「家づくりの基本」
フォーセンス導入数は300社を超えました。導入の理由は「デザインがいいから」「社内改善に使いたい」「コストダウンの手法を学びたい」など各社各様ですが、課題や問題は必ずどこかでつながっている。フォーセンスシステムという体系化された「基本」が身につく事で、それまでの課題・問題は自然とほどけてきます。
自社でやってみて良かったからと仲間にオススメしてくださるケースが多いのか、ここ数年は新規会員の約4割が紹介です。
なかには、何年も前に導入したものの「新しいことに挑戦するうちに基本の型が崩れてしまった」と研修を受け直す会員さんもいます。そして「やっぱり基本の考え方は大事だね」とみなさん口をそろえます。テクニックを覚え、見せ方や営業がいくらうまくなっても、スランプは必ずやってきます。そんなときに立ち返る「基本」があれば、立て直しが効くのです。
フォーセンスはこの15年間で、建材メーカーとのコラボによる住宅商品開発、四角の家ネットワークの運営など、設立時には想像もしていなかった分野にも活動の幅を広げてきましたが、私たちフォーセンスの「基本」は会員工務店さんの安定した継続経営支援です。
全国300社以上の会員工務店さんに賛同頂いた、「家づくりの基本」を更に進化させつつ、これまで以上に壮大なことにも挑戦していきます。
[左]役員会社の実践情報を体系化し、マニュアルに落とし込んだ。内容は常にブラッシュアップしており、時代に即応したノウハウを集約 [右]毎秋、宮崎県宮崎市で開催される「フォーセンスフォーラム」には毎回100社超が集結。フォーセンスの「基本」と生きた実践情報、変化・進化を感じることができる場
株式会社フォーセンス
東京都千代田区麹町3-5-2 ビュレックス麹町601
TEL:03-6272-4230 FAX:03-6272-4231
https://www.4sense.co.jp
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