ものつくり大学21世紀型木造住宅建設フォーラム(事務局:埼玉県行田市ものつくり大学内)は7月16日、同大学内で設立総会を開き、今年度事業計画や役員などを決めた。会長には同大学の白井裕泰教授(技能工芸学部建設学科)が、副会長には同じく赤松明教授(同)が就いた。
学んだ技能・技術を卒業後に生かせる場がなく、伝統木造の衰退に歯止めがかけられない現状が背景にある。これを打破するため、大学が主体となって新しい木造住宅のネットワークを構築。住まい手・つくり手、自治体とも一体となり、近くの木と伝統技術を生かした家づくりを進めていく。
同大学は昨年10月に学長プロジェクトとして「新しい家づくりネットワークプロジェクト」をスタート。地産地消や伝統技術の活用、現代生活との調和をテーマにした家づくりモデルの企画に向けて「新しい伝統構法の家」コンペや、地域材を利用した家の高校生コンペを行ってきた。
また今年5月には、埼玉県秩父市と「新しい家づくりネットワークプロジェクト連携協定」を締結。秩父産材のブランド化と地元林業・木材業の活性化を目指し、協力して生産流通体制の検討や情報交換を行っていくことで合意した。
新たに設立したフォーラムは、こうした活動を引き継いでいく。今年度事業として第2回の「新しい伝統構法の家」コンペ、高校生コンペを実施するほか、木造住宅に関する講演会・研究会の開催、ものつくり大学モデル住宅の施主募集などを計画に盛り込んだ。
来賓としてあいさつした同大学神本武征学長は「21世紀型木造住宅とは、生産・輸送時も含めエネルギーをなるべく使わず、かつ冬暖かく夏涼しい家」と指摘。「ぜひ成果をあげ、日本のリーダーとして活躍してほしい」と述べた。
総会後は、昨年度の「新しい伝統構法の家」コンペで作品が1位となった小椋祥司さん(フォレスト建築研究所)と遠野未来さん(遠野未来建築事務所)が講演を行った。
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