積水化学工業住宅カンパニー(大阪市)の調査研究機関である住環境研究所(東京都千代田区)はこのほど、50代以上の既婚男女を対象に実施した「中高年の生活・住まいに関する意識調査」の結果を発表した。それによると「今よりコンパクトな家に住みたい」と答えた人は20%で、「今より広い家に住みたい」(16%)と答えた人よりも多いことがわかった。特に持家戸建て層では24%が住まいの縮小を希望している。
モノに関する意識について2000年の調査結果と比較したところ、「すっきりシンプルに生活したい、不必要なものは処分する」は13ポイント増の41%、「処分せずとっておく」は36ポイント減の22%だった。「モノにしばられない」暮らしへの転換がはっきりとわかる結果となった。
夫婦についての考え方は、「夫婦でも一人の時間がほしい」が51%で2000年の調査時よりも12ポイント増加、「夫婦共有の時間を多く持ちたい」は19ポイント減の16%だった。特に定年前後の55歳から64歳で、仲良く暮らすために「一人の時間がほしい」と答える人が多く、自立志向が高まっていることがうかがえる。
家族については、「一人ひとりの生活を尊重」が2000年の調査時よりも17ポイント増の46%、「家族のまとまりが第一」は27ポイント減の27%。「子は自立すべき(家を出るべき)」は10ポイント増の50%、「結婚しても一緒に暮らしたい」は19ポイント減の13%となり、家族それぞれの自立度が高まっている。
定年に向けて何らかの準備をしている人は6割以上で、「趣味や生きがいをつくる」「体力をつける、足腰を鍛える」がそれぞれ3割を超えることがわかった。
今後、モノや子世帯との距離に縛られず、元気な中高齢期を過ごすため、好きな場所への「住み替え」や、子育て後の「減築」「縮小建て替え」が増加することが推測される。
有効回答数は1180件。2000年の調査結果(有効回答数545件)と比較し、今後の住行動トレンドを探った。
詳細はこちら。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。