一般社団法人日本火災報知機工業会(東京都台東区)は、住宅用火災警報器(住警器)の設置義務化から約10年が経つことを受け、現在、交換を促進する啓発活動を実施している。
11月9日~15日に全国で実施予定の秋の火災予防運動に向けて、住警器の設置率全国1位の福井県(95.1%)をはじめ、富山県、石川県の北陸3県では、地元消防署と連携した啓発イベントを開催する。啓発キャラクターの「とりカエル」が、地域住民にわかりやすく交換の必要性を訴求するというもの。
火災の煙や熱に反応して大きな音で鳴動し、住民に素早く異常を知らせる住警器だが、古くなると電池切れなどが発生し火災を感知しなくなる。交換の目安は設置から10年で、住警器が「ピッ」と鳴ったら電池切れ、「ピッピッピッ」と繰り返す場合は故障の合図になるが、この合図を聞き逃がしたり止めたままになっているケースが少なくないという。設置していても火災を感知できない「空白期間」が発生してしまい、逃げ遅れなど重大な事故につながる可能性もある。
消防庁予防課が公表した資料によると、失火を原因とした住宅火災において、住警器を設置している場合では、していない場合に比べ、死者数は4割減、焼損床面積と損害額は約5割減となっている(2015年~17年の平均)。
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