旭化成建材(東京都千代田区)快適空間研究所および旭リサーチセンター(東京都千代田区)ハビトゥス研究所はこのほど、首都大学東京、駒沢女子大学と共同で実施した第4回「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査の結果を発表した。それによると、温熱性能が高い住まいに暮らす人ほど、冬季の家事行動を「億劫に感じる」比率が低いことがわかった。
冬季の入浴時に「寒さで震えることがある」と回答した比率は、温熱性能が低い住まいでは57%だったのに対し、高い住まいでは32.3%と約25ポイントの差があることがわかった。冬季の入浴を「億劫だ」と感じている人についても、それぞれ38%、20.5%となり、約18ポイントの差となった。
寒さを解消するために「起床時はすぐに暖房機器でリビングを暖める」人の割合は、温熱性能が低い住まいでは69.4%だったのに対し、高い住まいでは44.1%と5割を下回っていた。「寒くて使えない、使いたくない部屋やスペース」がある人の割合は、温熱性能が低い住まいでは35.7%、高い住まいでは27.4%だった。これらのことから、温熱性能が高い住まいに暮らしている人ほど、無理のない家事や行動、無駄のない空間利用をしている傾向が高いことがわかる。
年間を通した家全体の温熱環境に対しての満足度を、「住宅購入前の住まい形態」別にみると、購入前に戸建て住宅だった人は81.3%が「たいへん満足」「やや満足」と回答したのに対し、マンション・アパートだった人の満足度は52.1%と、約30ポイントの差があった。
また、住宅検討時に温熱性能について「かなり調べた」「調べた」人の満足度は81.1%、「あまり調べなかった」「調べなかった」人の満足度は38.4%と、満足度に40ポイント以上の差があることがわかった。実際、温熱性能について調べた人の住まいでは、冬の起床時の居間・食堂の室温が、調べなかった人の住まいより平均2.8度高くなっている。
調査対象は10地域(25都道府県)の一戸建て持ち家居住者。回答者は20代~60代の既婚男女1229人。訪問調査として、関東の既婚女性7人にインタビュー調査を実施した。
●調査報告書(旭化成建材ホームページ)
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