電通(東京都港区)のエネルギー関連のグループ横断組織、チーム「DEMS(ディームス)」は10月11日、全国の20~69歳の男女5600人を対象に実施した「第7回エネルギー自由化に関する生活者意識調査」の結果を発表した。それによると「家庭用電力の小売り自由化」について、「内容まで知っている」と回答した人が32.4%と初めて3割を超えた。自由化自体の認知は94.8%で、電力自由化直後の調査(2016年6月実施)と同レベルとなった。
●「家庭用電力の小売り自由化」に関する認知・理解度の推移
電力購入先の変更経験者は12.0%と、前回調査時(2017年12月)の11.4%から微増。一方、同じ電力会社での料金プラン変更者は10.2%で前回の7.9%から2.3ポイント上昇した。電力購入先の変更者60.7%と、料金プランの変更者46.0%は、毎月の電気代が安くなったと回答。安くなった額はそれぞれ平均で月950円程度だった。
今後、購入先の変更を検討したいと思うかを聞いたところ、11.1%が「すぐにでも変更したい」「変更する方向で検討したい」と回答。前回の8.9%から増加し、低下傾向に歯止めがかかった。電力料金プランについても10.5%が変更の意向を示した。
電力購入先を変更した人がこれまでに変更した回数は「1回」がもっとも多く86.9%だった。また、変更していない人の74.0%は電気料金の試算すら行っていないことがわかった。
年齢や性別、家族構成、エネルギー意識などから、各層の特徴を抽出したところ、電力の購入先を変更した人は「節約意識の高い若年層」、同じ電力会社で料金プランを変更した人は「コミュニティ意識が高めのシニア層」、購入先を変更し再度変更を考えている人は「新しいもの好きのシングル層」が多いという結果になった。
「家庭用ガスの小売り自由化」に伴い、ガス購入先を変更したと回答したのは12.4%と前回の7.9%から4.5ポイント上昇。初の1割超えとなった。また、購入先の変更意向も11.5%と前回の7.6%から大きく増加した。
今後、取り入れたいエネルギー関連設備や製品について聞いたところ、蓄電池(13.3%)がもっとも多く、次いで太陽光発電システムと省エネ型家電(ともに11.6%)という結果になった。
同社は、エネルギー自由化に関する生活者意識を定点観測している。第1回2014年12月、第2回2015年11月、第3回2016年6月、第4回2016年11月、第5回2017年6月、第6回2017年12月に実施。対象エリアは9電力会社管内。
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