金沢工業大学(石川県野々市市)はこのほど、小松製瓦(同小松市)とエコシステム(同能美市)と共同で、廃棄瓦を有効利用した緑化コンクリートの研究開発を開始したと発表した。
瓦は「吸水」「保水」「保温」などの機能をもつ多孔質物質であり、廃棄瓦を骨材として使用するポーラスコンクリート(多孔質コンクリート)を開発、植生可能とすることで、都市部におけるヒートアイランド現象を抑える効果が期待できるという。
施工方法は、灌水配管から水を表層に“揚水”させ植物を育成するというもの。廃瓦が保水性を確保し、散水等のメンテナンスを減らすことができる。また、低アルカリ性のセメントペーストとして石炭灰や高炉スラグを混合し、舗装の強度増進と植生可能な低アルカリ基盤を実現する。廃棄瓦を有効利用した緑化コンクリートは、環境低負荷型建築材料として緑化事業や緑化舗装などに利用されるという。
同研究は、2018年度の小松市産学官共同研究促進事業補助金の選定を受けて行われるもので、金沢工業大学からは環境土木工学科花岡大伸講師(建設材料学、コンクリート工学)が参画。白山麓キャンパスにて実証実験を行い、2019年度中に実用化を目指す。
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