国土交通省は、人口減少や急激な高齢化など社会・市場の変化に対応する新しい不動産業ビジョンの策定に取りかかる。10月5日、社会資本整備審議会の不動産部会での審議を開始。2018年度中の策定を目指す。
新ビジョンは、2030年頃に向けて不動産業が持続的に発展していくための施策の方向性や具体的な施策などを盛り込む。従来型の不動産業にとらわれず、他産業との連携や他産業の事業領域への拡張も含めて検討する。不動産の開発・分譲業、流通業、管理業、賃貸業といった従来の枠組みに加えて、証券化など新しい領域も含め、「不動産業」の定義そのものから見直しを図る。
10月5日の部会では、国交省が新ビジョンの骨子イメージを提示。今後の不動産の目指すべき姿として、社会のニーズに対応した質の確保、生産性向上への対応、グローバル社会への対応、都市部・地方部それぞれの持続的成長を支える―の4つの方向性を示した。
策定方針に関する意見交換では、不動産業だけの議論でおさめるのではなく、未来投資会議など日本全体の経済戦略とも連動して検討していくという方向性を確認。その際、新しい業態の創出も含め、新たな不動産価値を創造していくという視点での検討の必要性を複数の委員が指摘した。
不動産業界関係者からは、構造的な需要減少予測からくる閉そく感を打破するような新しいビジョンを期待する声が上がった。
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