富士経済(東京都中央区)は9月11日、エネルギーマネジメントシステム(EMS)関連の国内市場を調査した「2018 エネルギーマネジメントシステム関連市場実態総調査」を発表した。EMSやEMSの構成機器・設備・コンポーネント(関連設備)に加え、EMSの活用で創出・拡大が期待されるサービス(関連サービス)の市場を幅広く調査したもの。
2018年度の市場規模は、EMSが前年度比3.0%増の710億円、関連設備が同4.8%増の3714億円、関連サービスが同6.2%増の3255億円、市場全体が同5.2%増の7679億円と見込む。
また、2030年度の市場規模は、EMSが2017年度比24.1%増の855億円、関連設備が同137.4%増の8412億円、関連サービスが同135.1%増の7207億円、市場全体が同125.8%増の1兆6474億円と予測する。
住宅分野では2030年度に向けたZEHの普及推進、非住宅分野では大規模再開発案件の活況やビル管理者等の不足などが拡大を後押しするが、新築物件数が大幅に増える余地がないことから小幅な伸びにとどまると予測する。
HEMS市場については、2019年度以降のFIT終了により、太陽光発電システムが自家消費用途として活用・導入されることになり、蓄電システムとHEMSの追加採用が増える見通し。また、国が推進するZEH要件にHEMSが含まれるため、2030年度までは一定の割合で増加していくと予想される。2030年度の市場規模は2017年度比2.2倍の150億円と予測する。
EMS関連設備については、バーチャルパワープラント・デマンドレスポンス(VPP・DR)が実運用に向かうことで市場が拡大する見通し。需要家用蓄電システムやV2X(車車間通信・路車間通信)はFIT終了後、太陽光発電システムとのセット提案が進むことで伸長を加速させると予想する。
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