新潟県は県産材を利用した住宅などの不動産取得税を減額するなど、木材の輸送にともない発生する「ウッドマイレージCO2」に着目した新しい税制の導入を検討している。
新潟県税制調査会(会長:碓井光明・明治大学大学院教授)が2010年5月から議論し、6月27日付で報告書をまとめた。この報告書をもとに、制度設計や導入時期などを検討している。
新しい税制は、地球温暖化の進行と県内の森林・林業の再興という課題を同時に解決することを狙い、検討が始められた。委員会では、「ウッドマイレージCO2」に直接課税する方式のほか、複数の既存税制の改良などを検討してきたが、そのなかで不動産取得税を活用する方法が最も優れているとした。
報告書では、不動産取得税の超過課税と軽減措置を同時に行うことで誘導する方法を提案。超過課税の方法については、現行の不動産取得税の税率(住宅3%、非住宅4%)に、1割程度の範囲で上乗せする方法を例示した。一方、軽減措置については、県産材などCO2排出量が少ない建材を一定程度使用した場合に、税率を2分の1程度まで軽減するなどのインセンティブを設定することで、県産材などへの誘導を図っていく方法を示した。
税収は、森林の再生や林業活性化に向けた対策に活用していくことなどを想定している。
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