ハイアス・アンド・カンパニー(東京都品川区)は8月30日、全国の住宅購入者および住宅購入を検討中の消費者の意向、動向を探るために実施した市場調査の結果を発表したそれによると、物件の比較検討時に重視するのは、建売・注文住宅検討者ともに「立地」が1位となった。また、注文住宅検討者は、断熱性・気密性・防音性といった「性能」を重視する割合が高くなっている。
検討時に不安に思っていたことについては、「建物の性能に関する知識不足」がトップで、「立地・周辺環境に関する情報不足」が続いた。このうち、建売住宅検討者・既購入者では「立地・周辺環境に関する情報不足」が、注文住宅検討者・既購入者では「住宅性能に関する知識不足」の割合が、それぞれ高くなっている。なお、検討する際に参考にする情報は、ともに「住宅展示場・モデルハウス」がもっとも多かった。
建売住宅の購入検討者に検討理由を聞いたところ、「価格が明示されている」「間取りや内装が決まっている」ことを挙げる人が多かった。しかし課題や不満な点として「自分で決められない」「外観が他の家と似ている」「自分の理想や希望に対してできることが少ない」ことが挙げられている。
注文住宅の検討理由については、「間取りや内装について自分の理想のイメージが実現できる」ことが挙げられる一方、「金額」「間取り・内装などを自分で決めることが手間」「理想の家つくりが自分にできるか自信がない」ことが、課題や不満として挙げられた。
こうした結果から、注文住宅・建売住宅のメリットは、いずれもデメリットや不安材料につながっていることがわかる。消費者の不安を解消し、顧客満足を高めるためには、十分な情報提供が重要だと考えられる。
調査対象は、全国の25歳~39歳までの直近3年以内の住宅購入者・今後3年以内の住宅購入検討者。有効回答数は900人。
調査元:ハイアス・アンド・カンパニー『アーキテクチャル・デザイナーズ・マーケット本部』
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