故・黒川紀章氏が設計したメタボリズム建築の代表作「中銀カプセルタワービル」の保存を求めて活動する中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト(東京都中央区)は8月23日、オンライン署名のプラットフォームchange.orgを利用し、小池百合子東京都知事宛に署名活動を開始した。同ビルが、カプセル交換を含む大規模修繕の検討なしに取り壊されないよう、東京都への支援要請を行うもの。
同ビルを巡っては、1階店舗、2階事務所、カプセル16個と底地を所有する中銀グループが一切の所有権をCTB合同会社(土地は共同信託株式会社)に売却。新所有者から一帯の再開発について管理組合理事会で報告があり、今後、借地権譲渡の承諾を行わないとの通達があったことで、カプセルの所有者は自由にカプセルを売買することができなくなっている。同ビルは1972年の竣工以来、カプセルの交換を一度も行っていない。
同プロジェクトでは、既存建物の設計会社である黒川紀章建築都市設計事務所の助言を得て、昨年12月におこなわれた管理組合総会でカプセル交換プランを提案。中央区都市整備部とのカプセル交換に関する下協議も数を重ね、その実現性について前向きな回答を得ているという。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。