LIXIL住宅研究所(東京都江東区)は7月31日、人生100年時代を想定し、5世代4世帯の家族がともに元気に暮らせるコンセプトホーム「五世代」のモデルハウスを公開した。少子高齢化がさらに進む時代への対応として、5つの世代がそれぞれのライフステージに合った別々のユニットに住みつつも、一つ屋根の下に小さなコミュニティーを形成し、互いを見守り助け合って暮らせる住まいを提案する。
具体的には、「4世帯がつながる家」「IoTで進化する家」「からだを鍛える家」「未来に受け継ぐ家」の4つの機能で対応する。
「4世帯がつながる家」では、ライフステージの変化に合わせて変えられる住まい方を提案。家の中央には生活を共有するLDKスペース「コネクティング・フロア」を設け、世帯ごとに専有する居室スペース(ユニット)と緩やかにつないだ。各世帯間をレベル差(段差)によって分け、各世帯の生活スペースを充実させるとともに、共有スペースには大きな吹き抜けを設けることで、開放的で皆が集まりやすい空間を実現した。
「IoTで進化する家」では、スマートフォンやタブレットを通して家電製品などの遠隔操作ができる、安心で便利な暮らしを提案している。生活情報や節電に関するアドバイス(開発予定)などをしてくれる、新しいデジタルコミュニケションツール「ミラー・コンシェルジュ」が、居住者の健康や快適な住生活をサポートするという。
「からだを鍛える家」の仕掛けとして、子どもの「運脳神経(東京大学大学院・深代千之氏が提唱する、運動も勉強もできる脳を育てる考え方)」を高め、運動の基礎となる動作を学べる15のプログラムを盛り込んだ。また、高齢者に対しても、日常生活の中で健康維持に役立つ工夫や設備をプランニングしている。
「未来に受け継ぐ家」という観点から、太陽光発電・蓄電池を備えた、電気代ゼロを目指す建物となっている。LPガスを設置することで、万が一ライフラインが途絶えた時にも火を使うことができるようにしており、地域の避難所としても活躍するという。
2018年10月には、同コンセプトハウスの要素を商品化する予定。
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