■被災ローン減免
既に住宅ローンや個人事業で多額の借り入れがあり、災害に伴う家計の急変で支払いが困難になったり、修理や再建で二重ローンになる場合には、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」(通称、被災ローン減免制度)で債務整理が可能です。個人破産に比べて、500万円までの財産を残せること、またブラックリストに載らないので、ガイドライン適用後に新たにローンを組むことが可能なことなどが優れています。災害救助法の適用された自然災害で利用可能な制度です。
弁護士などの支援が必要になるため、各県の弁護士会が積極的に取り組んでいます。無料電話相談も始まっていますので、まずは弁護士会にお問い合わせください。熊本地震では、ガイドラインの適用を申し込んでから成立まで1年程度掛かっています。住宅ローンだけでなく全ての債権者の合意が必要なことに注意が必要です。
・広島
https://www.hiroben.or.jp/news_info.php?newsid=1140
・岡山
http://www.okaben.or.jp/news/index.php?c=topics_view&pk=1531114389
・愛媛
http://www.ehime-ben.or.jp/fsusvstj.php?pcm=on&rtn=../index.htm&ini=133&PHPSESSID=59239be49b1c4759cd36e3038aad809d
・兵庫
http://www.hyogoben.or.jp/topics/180713.html
被災ローン減免制度の概要がわかるパンフレット(出典:日本弁護士連合会)
■大学等の授業料免除・奨学金
お子さんが大学等に通っている場合は、授業料免除やこれから入学する場合には入学料免除になる場合があります。最近は、多くの大学で概ね半壊以上で何らかの減免をしています。大学の授業料は高騰しているので、減免は大きな支援です。詳細は各大学の学生支援課等にお問い合わせください。
また、日本学生支援機構では、災害救助法適用地域およびその近隣の地域で被災した世帯の学生に対して、緊急採用奨学金、応急採用奨学金(いずれも返済必要)の応募を受け付けています。また、本人が居住している住宅が被災した場合、JASSO支援金(10万円、返済不要)の給付を受けることができます。詳細は日本学生支援機構や、手続きの窓口になっている各大学の学生支援課等にお問い合わせください。
・緊急採用奨学金、減額返還・返還期限猶予、JASSO支援金の受付(平成30年台風第7号及び前線等に伴う大雨にかかる災害)/日本学生支援機構
https://www.jasso.go.jp/about/information/press/18070903.html
以上、多種多様な支援制度があり、それぞれ申請が必要です。申請漏れを防ぐには、永野海弁護士の作成した「被災者支援チェックリスト」が便利です。なお、市町村によっては、チェックリストにある制度が無かったり適用されない場合があるので注意してください。
http://naganokai.com/sien/
次回は家屋の修理・再建について説明します。
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