連日の猛暑の中、一般社団法人日本能率協会(東京都港区)による「第4回猛暑対策展」が7月18日〜20日の3日間、東京ビッグサイトで開催された。建設・住宅・建築業界の現場の暑さ対策としてメーカー各社が提案したソリューションを紹介する。
小型ファンと水冷式
繊維事業や電子事業、環境・健康・安全事業を展開するサンエス(広島県福山市)は、ブルゾンに付いた小型ファンにより服の中に外気を取り入れ、体の表面に大量の風を流すことで、汗を気化させて涼しさと快適さを保つ「空調風神服」を出展した。同製品を着用することで、作業効率が改善されるほか、汗臭が減り、汗疹など皮膚病になり難くなる。消費エネルギーは、1日8時間着用した場合の1ヶ月のエネルギーコストが約40円と非常に安価。小型ファン・ユニットは、リチウムイオンバッテリー、空気吸入ファン(2個)、ケーブルからなり、コンパクトで洗濯時の脱着も簡単に行える。
防災事業などを展開する帝国繊維(東京都中央区)は、チューブを張りめぐらせたベスト本体に、氷で冷却された水を循環させる冷却下着ベスト型SCB-14002を紹介した。独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)とのコラボレーションで生まれたもので、4°C前後の冷水が冷却下着全体を回り、上半身を快適に冷やす。1リットルの冷却タンクの使用で約30分間持続可能。着衣部はストレッチ性があるほか、制菌機能と防汚機能を備える。家庭での洗濯が可能。
熱中症対策専門開発事業などを展開するクールスマイル(大阪市東淀川区)は、水冷式冷却服「人間エアコンCoolArmorCA3」を提案した。腰ベルトに装着してフロントアクセスできる水循環冷却バッグシステムは、小型軽量高性能のCS311タイプで8時間連続運転が可能。また、ヘルメット着用/非着用でも頭部を連続冷却できるフルフードタイプも販売する。
保冷剤、遮熱材を使用
医療機器や計量器の販売を行うA-MEC/りょうざい屋(山梨県甲府市)は、現場作業者や家庭等の熱中症対策グッズとして、ハイテク保冷剤を使用した新商品群「ホレイワールド」を紹介した。35°C以上の猛暑環境で3〜4時間の快適保冷が可能な保冷剤3個を胸部と背中に装着する保冷ベスト「ホレイベストV2」、特殊酸化チタンコートによる遮熱効果を備えた遮熱ヘルメット「クールヘル」、そのインナーとして使用することで熱中症対策効果を高められるヘルメットインナー「ひんやりキャップ」などをラインナップする。
3次元モデルCADや商品企画開発を手がけるCDシステム(浜松市)は、ヘルメットの内側に貼るだけで太陽の輻射熱を反射し、ヘルメットの中の温度上昇を大幅削減できる遮熱材「ピタバリアクールPRO」を提案した。熱貫流抵抗特殊アルミ複合材を使用したもので、電池交換や水・氷の補充が不要な環境に優しい製品。簡単に貼れる工夫された形状と構造を備える。同製品のほか、帽子の中に挟むだけで輻射熱を遮断できる「ピタバリアクールCAP」も販売する。シリカゲル入り不織布により、汗と匂いとカビ菌を吸着除去できる製品となっている。
工事用・作業用ヘルメットや熱中症対策グッズなどの開発・販売を手がける昭和商会(愛知県名古屋市)は、ズボンの中を快適に保つコンパクト送風機「Speed Cooler ズボンクール」を紹介した。クリップでズボンに簡単に取り付けられるもので、USB出力のモバイルバッテリーと接続し、噴出口をズボンに入れて本体のクリップをベルト等に固定。バッテリーをオンにするとズボン内に風が送られる。ゴムの吹出口はカットして長さの調整が可能。重量は約85g。
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