ボーダレスの時代—。いま、住宅業界に引かれていた「境界線」(ボーダーライン)を壊す「破壊者」がどんどん登場している。異業種から住宅業界の常識の破壊に挑む破壊者。これまで暗黙の了解で踏み込むことがなかった領域を侵犯する破壊者―。つまりボーダレスとは「何でもあり」状態で、その混沌とした状態—カオスの中にイノベーション(革新/新しい満足)の可能性がある。ここでは新建ハウジング2011年6月20日号からそんな破壊者を紹介します(編集部)。
「小さな家計画。」で提供されているプロダクトハウスのひとつ「T-HOUSE」
開発者:田中敏溥氏(田中敏溥建築設計事務所) 価格1980万円(税込み)(30.05坪)
事例1 「小さな家。計画」「みんなの小さな家。」
建築家のプロダクトハウス提供、工務店支援も
CAD・CG・ネット。この三種の神器で家づくりのイノベーションに挑んでいるのが「プロダクトハウス・コンソーシアム」だ。
同コンソーシアムは、プロダクトハウスの普及を目的に集まった資材メーカーや資材商社、CAD会社、プレカット工場などによるプロジェクト(事務局:安心計画、福岡市、小山田隆広社長、TEL092・475・1751)。
ここでいうプロダクトハウスとは、CADで完全にプランを完成させ、CGで細部までの再現が可能な住宅をいう。
プランが確定していてCGによる「バーチャル展示」が可能なメリットを生かし、まず、省エネ・省コストの小さな家に限定したプロダクトハウスを1500万円前後の手頃な価格でネット販売するサイト「小さな家。計画」をスタートした。
現在九州限定販売のプレオープン段階だが、伊礼智氏(伊礼智設計室)や迫英徳氏(シンケン)などの人気建築家の手によるプロダクトハウスがラインナップされており、ネット経由で具体的な引き合いがコンスタントに来るようになっているという。
省コストのポイントとしては、CAD(ウォークインホーム)を使って設計をあらかじめ確定し、設計経費を削減することがひとつある。
そのCGを細部まで作り込みホームページに掲載、バーチャル展示場として集客を行うことで、展示場や見学会の経費を削減する。
問い合わせや引き合いにはメールで対応し営業経費を削減。
さらに、CADデータをプレカット工場でそのまま活用できることもコストダウンにつながる。
これらによって1500万円前後というコストダイエットを実現した。
つくり手はプロダクトハウスの供給者として参加できる。1棟販売するごとにフィーが入るため、自社に眠るプランを収益に変えること、また自社の自信作を世に問うことができる。
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