関西大学(大阪府吹田市)は、シャープ(堺市)との共同研究で、空気中の湿気を集め、液体状態の水に変化させる省エネルギー材料「スマートゲル」を開発した。従来の原理とは異なる除湿システムにより快適空間が期待できる。
スマートゲルは、温度やpHなどの環境変化に応答し、空気中に存在する気体状態の水を吸湿する材料。わずかな加温により空気中の湿気を液体状態の水として直接的に回収するため、高温加熱による乾燥剤の再生や水蒸気の凝縮などのプロセスが不要になる。大幅なエネルギー削減効果により、小型・省エネルギーシステムの開発につながると期待される。
通常、スマートゲルは水中や湿潤状態で利用され、乾燥状態での応用についての報告例はほとんどない。今回の技術はスマートゲルの応用についての先駆的な開発であり、次世代薬物放出やセンサー、再生医療への応用が望まれる。
■吸湿のイメージ
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