須藤建設(SUDOホーム関東)(千葉県流山市)
北海道で磨かれた素材を生かすデザインと技術力による住宅が共感を集める。ベースを崩さずも新たなチャレンジを続ける。須藤建設が 1988年千葉へ進出。2004年SUDO ホーム関東設立。新築年間20~30棟。
須藤建設では、今までも当たり前に家づくりをしっかりやってきた。もともと本社が北海道にあり、そこから今のSUDOホームを会長が千葉に設立。北海道の家づくりをそのまま持ち込んできたため、はじめから性能面は当然として、デザイン的にも他社との差別化になっている部分があったのかもしれない。
例えば外壁。あまり知られていない北海道のスギを活用した焼杉板張り、塗り壁、サイディングと選ぶことができる。焼杉と塗り壁に人気が集中する傾向がある。内装についても同様だが、素材の持つ魅力を引き出すように努めている。北海道も含め、今でも技術力を磨きながら、長年使い続けてきたノウハウを蓄積していることが家づくりのベースになっている
現在、年間で30棟前後をコンスタントに受注できているが、振り返ってみても何か特別な仕掛けをしたことは全くなく、「家づくりをちゃんとやる」ということしかない。
会社としては、はじめは大手の下請けを真面目にこなし、地力をつけるところからスタートした。元請けに転じて注文住宅を手掛け始めたのは、私が会社に入った18年前ごろ。地力がついたとはいえ、SUDOホームという社名についての知名度はゼロ。これを上げていくために何をやってきたかというと、絞り込み。チラシを配ったのは最初だけで、あとは会社がターゲットとする顧客層とマッチしている大手の住宅情報誌一本に絞った。ターゲットが決まれば媒体も同様に選ぶ必要がある。我慢の期間だったが、安易な規格住宅に走ったり、予算のないお客さんまで取るといったことはしなかった。
5棟以下という時代が数年続いた後、徐々に受注棟数が増え始め、20~30棟をコンスタントに受注できるようになって5年ほどになる。相対的に他社(工務店)のデザインが向上し、差別化が効かないようになってきた。会社の「ヒト」のレベルをどう高めるかが今後のカギを握ると思っている。
コラボが会社に刺激
2016年、千葉を拠点とする工務店数社によるグループ「ライフデザインチーバ」を立ち上げ、活動を始めた。第一弾として、分譲地を共同で開発して6棟プラスアルファの期間限定の展示場をオープン。宿泊体験できるようにして、さらに宿泊する人たちが交流できるようバーベキュー企画をセットにした。そこにはグループ工務店の社員も参加。当然、準備には非常に手間がかかるが、楽しみながら仲良くやっている。
受注については多少の差はあるが、出展した全ての会社が受注を伸ばすといった確かな成果を得た。各社の認知度も上昇し、社員たちも刺激し合う中で、社内の人間だけでは見えなかった自社の弱点や強みを客観的に把握しながら、仕事に対するモチベーションを高めている。
こうした地元工務店によるコラボは「今やらなければいけないこと」だと強く感じる。10年先の市場をイメージすれば、必然性が理解できるはず。先日、地元の不動産会社と数社の工務店でコラボし分譲住宅を販売した。魅力的な住宅をつくる力、販売ノウハウ、お互いの長所、短所を補い合うスタイルだ。小さな会社同士が、それぞれの得意分野を生かし、仲間として戦っていく時代が来ている。ものづくり会社としての立ち位置を将来にわたって確保していくことを常に念頭に置きながら、行動していきたい。
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