経済産業省は5月21日、日本工業規格(JIS)について5件の制定及び4件の改正を行ったと発表した。重要なものでは、建築材料の省エネルギーに関する機能や性能を高めた“グリーン建材”の評価方法に関するJIS A1487(真空断熱建材の試験方法)とJIS A2104(住宅用窓のエネルギー性能評価方法)、衝撃緩和性能を有する高機能畳床に関するJIS A5917(衝撃緩和型畳床)を制定した。
JIS A1487は、真空断熱建材の断熱性能を精度よく測定するために、従来の方法であるJIS A1420をベースとして、試験体の設置の仕方や測定条件などを規定。特に、試験体の設置については、試験体の周囲に取り付ける断熱材「取付パネル」について、真空断熱建材の断熱性能を正確に測定するための仕様や配置を規定した。また、真空断熱建材の端部を含めた全体の断熱性能を、建物の省エネルギー性能の計算に利用可能な熱貫流率や(等価)熱抵抗で表すことにし、その算出方法について規定した。
JIS A2104は、窓のエネルギー性能を指標PWEで表し、その計算手順を4つのステップで構成。日本の代表的な8つの地域の9地点の気象データを附属書に規定して、ステップ1で用いることができるようにした。また、日本の代表的な戸建住宅及び集合住宅を標準建物モデルとして設定し、それらの地域別、月別の係数を標準建物データとして附属書に規定し、ステップ2で用いることができるようにした。
JIS A5917は、衝撃緩和性能を有する高機能畳床の客観的な評価を可能とする試験方法及び性能値について、「新市場創造型標準化制度」を活用して制定した。足腰の負担又は障害が起こりにくい硬さの評価方法として、一般社団法人日本建築学会の床性能評価指針で規定する「日常的な動作時の床の硬さ試験」を基にした試験方法及び性能値を規定。転倒時の衝撃緩和性能として、JIS A6519(体育館用鋼製床下地構成材)で規定する「転倒衝突時の床の硬さ試験」を基にした試験方法及び性能値を規定した。同JISの制定によって、高齢者等の安全性向上及び住宅・施設における新たな市場形成を促進する。
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