博報堂(東京都港区)は5月16日、ユーザーの嗜好と体調に合わせ、風呂を出る最適なタイミングを知らせるIoTロボット「fuuron (フーロン)」を開発したと発表した。入浴事故防止の啓蒙と事故数の低減を目的に、風呂研究の第一人者である東京都市大学の早坂信哉教授と東海大学海洋学部の斉藤雅樹教授とともに発足した「Yu-navi」プロジェクトの第1弾となるもの。
「fuuron」は湯船に浮かべて使用する。搭載する温度センサーとタイマーセンサーが湯温と入浴時間を計測し、湯温が高過ぎたり低過ぎると内蔵のLEDが点灯、風呂を出る時間になると点滅してユーザーに知らせる。
また、長湯による肌からのセラミド流出などを防ぐための適切な湯温と入浴時間を知らせる「美肌モード」をはじめ、「花粉症モード」「ダイエットモード」などユーザーの嗜好と体調に合わせた様々な「モード」を搭載する。さらに、高齢者を中心とした入浴事故を防ぐための「見守り機能」を備え、高齢者がロボットを長時間湯船に浮かべた状態が続くと、高齢者に何かあったと認知して遠隔の近親者のスマートフォンに警告を送信する。
「fuuron」を活用することで、ユーザーは入浴した実際の温度や時間のデータをログとしてスマートフォンで管理し、毎日の健康管理に役立てることができる。ログデータは、東京都市大学と東海大学がクラウド上で収集し、博報堂が両大学と協働して入浴実態の解析を行うことで、より良い入浴環境についての情報発信に繋げる。
同社は5月26日に別府で開催される「世界温泉地サミット」で「fuuron」を展示し、実装の説明を行う。2018年度中に協業パートナーを募り、2019年度中の販売を目指す。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。