工務店支援機構 風土里舎(ふとりや、長野県上伊那郡)が開発した国産のスギ・ヒノキの耐力パネル「どんとパネル」を採用した都内で初となる工務店による構造見学会がこのほど開催された。
「どんとパネル」は、国産の無垢のスギ材とクギ(ステープル)のみで組み立てた耐力パネル。スギ材の枠にスギ板を斜め張りしたパネルを、板方向がクロスするように2枚重ね合わせることで強度を確保した。(財)日本住宅・木材技術センター、鹿児島県工業技術センター、愛知県森林・林業技術センターなどによる規定の破壊実験で、壁倍率2.2~4.8、床倍率2.8~3.5の耐力評価を得ている。接着剤は一切使わずステープルのみで接合するので呼吸を妨げることがなく壁内結露を生じさせない。壁、床、小屋裏、屋根全てに使用できるのも特長。
今回見学会を開いたのは自社としても初めてどんとパネルを採用したというカツマタ(東京都武蔵野市)。創業以来、国産材の自然素材にこだわりつづけ全国各地の無垢材を適材適所に組み合わせた木の住まいを提供してきた同社。この物件では、代表取締役社長の勝又健吉さんの要望でどんとパネルに国産の無垢ヒノキを使用した。
勝又社長は、「面材にも無垢の木を使いたかった。どんとパネルは粘り強く地震で揺れても折れることがない」と、どんとパネルを採用した理由を語った。また、ヒノキによる防蟻効果も期待できると勝又社長は言う。
同社ではこの他に既に3件を受注しているという。風土里舎では、今後もどんとパネル工法による工務店の家づくりを支援していく。問い合わせは、風土里舎まで(TEL0265-96-7251)。
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