信州産木材を使用した木製サッシを製造するウッドテック秋富(長野県上田市)は、FFe & Kiri総研(長野県佐久市)と共同開発した桐製断熱サッシ「アキフフェンスター」を販売する。
面材や芯材だけでなく、枠にも桐集成材を用いた同製品。一般に広く流通する杉や楢は、芯材と辺材の強度が10倍近く違うが、桐は芯材と辺材がなく強度や収縮率が同一のため、どこを切り取っても割れにくく無駄な部分がない。これにより従来品に比べ2分の1までコストカットを実現した。
サッシ表面には、外壁・サイディング用に開発されたダイフレックス製の超耐候性塗料を塗布。通常木材には使用できないが、多孔質な桐材には適しており、降雨や大気汚染、紫外線からサッシ枠を長期的に保護する。
同時に発売する「スーパー遮音室内扉」は、芯には桐の集成材、表面には化粧合板を使用。扉下部には、溝を掘りこみ騒音を小さくする独自の遮音技術(特許取得済)を採用。遮音効果をより高めたい場合は、溝をさらに深く掘りこむことで対応できる。
また、桐の持つ遠赤外線放射量の多さを生かした厚さ35㎜のフローリングも販売を開始した。床暖房やカーペットもいらないほどの温かさという。
「桐で創る低炭素社会」の著者でもあるFFe & Kiri総研の黒岩陽一郎社長は「一般的な木材は導管の中は空洞だが、桐は導管の中にさらにミクロの導管が走っている。生きている時は水が通っているが、伐採した後は空気層となり、これが一般木材比約2倍の断熱性につながる」と自信を見せ、「桐は杉の6倍の速さで成長し、耐火性も高く防火戸にも採用されている。桐を建材とする利点をより多くの人に知ってほしい」と今後の広がりに期待を寄せる。
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