帝国データバンク(東京都港区)は5月7日、全国企業の景気判断を総合した景気動向指数(DI)に基づく「TDB景気動向調査(全国)」の4月調査結果を発表した。全体の景気DIは前月比0.6ポイント減の49.8で2カ月ぶりに悪化した。建設業は同1.5ポイント減の51.4で4カ月連続の悪化となった。
建設業の景況感が4カ月連続で悪化したは、2014年12月以来、3年4カ月ぶり。東北復興需要の落ち着きなどから公共工事の請負金額減少が続くなか、新年度に入り、新規案件が少なかったことが土木工事を中心に景況感の下押し圧力となったほか、貸家などの住宅着工戸数減少が続いたことも影響した。さらに、都市部を中心に五輪関連や再開発工事が活発化したことにともない、鋼材価格や人件費が高止まったことで、中小企業を中心に採算が悪化した。依然として深刻な人手不足から受注抑制につながるケースも見られた。
不動産業の景気DIは、同2.2ポイント減の50.9で2カ月ぶりに悪化した。不動産代理・仲介において新生活や新年度に向けた需要が収束して閑散期に入ったほか、不動産物件の高止まりが小規模の売買業者などにとってマイナスに働いた。加えて、金融機関による不動産向け融資の引き締めや、世界情勢の不透明感が増したことが投資マインドに一部悪影響を及ぼした。ただ、景況感が改善した貸事務所では、好調な企業業績や働き方改革を背景にオフィス需要が拡大しており、不動産業全体としては7カ月連続で50を超えた。
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