奄美イノベーション(鹿児島県奄美市)は4月26日、佐渡の伝統的構法で建てられた民家を改修した宿泊施設、伝泊・佐渡「梅の木のある小さな宿 市十郎」(新潟県佐渡市松ヶ崎)をオープンした。
「伝泊」(でんぱく)は、奄美イノベーション代表の建築家・山下保博氏(建築設計事務所アトリエ・天工人 主宰)が設計・運営を手がける、空き家を活用した1棟貸しの宿泊施設。佐渡島では2017年7月にオープンした 「ぐるり竹とたらい湯の宿 カネモ」に続いて2棟目。
「梅の木のある小さな宿 市十郎」は、天井の高い「御前」(オマエ)と呼ばれる特徴的な空間を備える。天井や壁が黒い煤でおおわれるなど、人々が長い冬を囲炉裏端で過ごしたことがうかがわれることから、同社では必要な部分だけに修繕をほどこし、趣のある部分は残した。
所在地の松ヶ崎は、「屋号の里」として知られる昔ながらの街並みが保存されている集落。それぞれの家が今でも古い屋号で呼び合い、家ごとに屋号の看板をつくり、漁具や古民具などを各玄関口に飾るなど、住民が一体となり様々な取り組みを行っている。
「伝泊・佐渡」では、集落に暮らす女性コンシェルジュが宿泊客を迎え、滞在中に地域の伝統文化や習慣など地元ならではの情報を伝えてくれる。コンシュルジュを通じて、島に暮らすように時間を過ごせることが魅力のひとつとなっている。
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